1985年のこと。
私はひとつの作品に出会った。
それが「花咲爺論序説」。
花咲か爺さんのお話の序説かよっ!
なんとも無駄に規模感をあおるタイトルにツッコミつつも引き込まれた。
当時の私は古代史や神話に夢中になっていて、その手の本を読みあさっていたものだ。
この年の夏は日航機墜落事故で騒然としていて、この作品でもタイムリーに墜落事故の生還者のお話を扱っていた。
意識して諸星大二郎先生の作品を追いかけるようになったのはこれが始まりだった。
あれから三十年もたってるんだなぁ。
当時の私はすぐに挫折を味わうことになる。
どの書店に行っても、諸星作品は置いてなかったのである…(涙)
蒐集活動は混迷を極めた。