ジュン子・恐喝(1970/12/01 COM 1970年12月号)

今回紹介する諸星大二郎先生の作品は1970 年のCOMに掲載された『ジュン子・恐喝』。
COM主催の第17回月例新人入選作です。

商業誌にフルページ掲載されたことから、本作が諸星先生の実質的なデビュー作とされています。

f:id:bunji2:20160114220938j:image
表紙。

f:id:bunji2:20160114221011j:image
タイトルページ。
名義は「諸星義影」。

f:id:bunji2:20160114221102j:image
人妻に金をたかろうとするヤクザ者。
どうやら元カレらしいが。

f:id:bunji2:20160114221158j:image
しかし刑事が待ち伏せていてすぐ御用に。
…というシーンから始まる。

f:id:bunji2:20160114221404j:image
物語は回想シーンとなり、彼女がヤクザ者と知り合った経緯が語られる…
(以下省略)

f:id:bunji2:20160114221645j:image
つのだじろう先生の講評が載ってました。
要約します。

・若さに似合わず、大人の微妙な心理を巧みに描いている。
・絵は稚拙とも言えるし素朴とも言えるが、一コマ一コマに作者の意図が含まれており息づいている。
・回想シーンが多く、本筋がやや薄らいでいる。
・雨中のおばさんの役付が浅く伏線になってない。
・主人公の女性の、夜の住人らしさが足りない。

全体としてかなり絶賛されていました。

続く『現代間引き考』といい、諸星先生のデビュー当時は社会派な作風でした。

本作は単行本「コンプレックス・シティ」(双葉社・絶版)に収録されています。