心のある光景(1981/02/26 ヤングジャンプ)

今回紹介する諸星大二郎先生の作品は『心のある光景』。1981年のヤングジャンプに掲載。

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表紙。

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タイトルページ。

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流浪する難民の男。
収容所を逃れ、街にたどり着いた。

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しかし、人々は無表情。

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男に助けの手を差し伸べてくれない。

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行き倒れた男を救ったのは、長髪の男だった。

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この星の人々は心の中に感情をもたず、
感情は別の形をとって外に現れるという。

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感情の記号を外に現して会話する人々。

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難民の男は収容所での恐怖に包まれた悪夢に苛んでいた。

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長髪の男は、この星の人々のように恐怖を心の中から出してしまうことができるという。

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恐怖の感情をパターン化…

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こうして、心から恐怖の感情を切り離し…

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その後も彼の感情は次々と外へ出て行った。
怒りも、不安も、絶望も。
そして、わずかな喜びや希望も…。

本作は『感情のある風景』と改題され、単行本の「特選集・第一集・男たちの風景」に収録されています。

表情や態度や話しぶりで感情を読みとるのではなく、単純に記号化されたらどうなってしまうのだろう。それで少しでも気持ちは軽くなるのだろうか。
読後に色々と妄想してしまいました。