諸星大二郎先生は単行本化などのタイミングで登場人物のコマの書き換えを行っています。
『遠い国から・追伸・カオカオ様が通る』にでてくるタパリ人の少年の顔の変遷がなかなかに印象深いので紹介します。
このタパリ人の少年とはガイドとして登場するキャラクタです。
タパリ人は美しいものを見ると自殺してしまう民族。したがって若いうちはスクリーンで顔を覆い、風景を見えにくくしている、という設定です。
この少年が主人公に顔を見せるシーンがあります。
「私はその少年をしばらくガイドとして雇うことにした」
「一人でタパリ地方の村へ帰る途中だから安くすると言われたからだが本当はその笑顔のせいだった」
その笑顔がこれ↓
コミックアレ!掲載時(初出)
少年っぽくないような…
やや老け顔かも…(^o^;
これが、次のように書き換わりました。
単行本「夢の木の下で」収録時
…ニヒルな…
眼が笑ってないんですよね(^o^;
口元も皮肉っぽいし違和感があります。
そして、さらに書き換えられました。
双葉文庫「壁男」収録時。以後、特選集もこの顔。
少年らしい爽やかな笑顔になりました。
ずっと抱いていた違和感が解消されました(*´ω`*)