ジュン子・恐喝(1970/12/01 COM 1970年12月号)
今回紹介する諸星大二郎先生の作品は1970 年のCOMに掲載された『ジュン子・恐喝』。
COM主催の第17回月例新人入選作です。
商業誌にフルページ掲載されたことから、本作が諸星先生の実質的なデビュー作とされています。
表紙。
タイトルページ。
名義は「諸星義影」。
人妻に金をたかろうとするヤクザ者。
どうやら元カレらしいが。
しかし刑事が待ち伏せていてすぐ御用に。
…というシーンから始まる。
物語は回想シーンとなり、彼女がヤクザ者と知り合った経緯が語られる…
(以下省略)
つのだじろう先生の講評が載ってました。
要約します。
・若さに似合わず、大人の微妙な心理を巧みに描いている。
・絵は稚拙とも言えるし素朴とも言えるが、一コマ一コマに作者の意図が含まれており息づいている。
・回想シーンが多く、本筋がやや薄らいでいる。
・雨中のおばさんの役付が浅く伏線になってない。
・主人公の女性の、夜の住人らしさが足りない。
全体としてかなり絶賛されていました。
続く『現代間引き考』といい、諸星先生のデビュー当時は社会派な作風でした。
本作は単行本「コンプレックス・シティ」(双葉社・絶版)に収録されています。