礎(1978/06/27 漫画アクションコミックスSF劇画特集号)
今回は1978年の諸星大二郎先生の作品を紹介します。漫画アクションコミックスSF特集号に掲載された『礎』(いしずえ)です。
表紙。
タイトルページ。
地方公務員。「庶務課」から「地震予防課」への異動の辞令を受ける。
同僚が送別会をひらいてくれ、
スナックで会ったママと深い仲に。
なぜか眼が痛む。
新しい職場の課長には淡々とあしらわれる。
単調な事務仕事の日々に。
角膜に傷がついていると目医者にいわれる。
倉庫で「特殊設備」の資料をみつける。
そこには古文書のコピーが綴じられていた。
…武蔵の国の国ッ神は荒振る神なり
一度怒れば 天地を揺るがし
五穀草木をすべからくうち枯らし
死する者 数しれず
…何村の何某 慎みて 国のため 人のため
一身を投げうちて 一年神主をば申し受け…
見届け人
寺社奉行何某
室井恭蘭
本庁に出張すると、いきなり知事に引き合わされる。
「ご苦労さまです」… 何かがおかしい
いったいなにがおこるというのか?
この男の運命や、いかに?!
…
本作は「一年神主」の伝承をモチーフにすえたスリラーとなっています。
妖怪ハンターや本作のような作風こそが諸星先生の真骨頂と思います。
また、本作で出てくる江戸時代の謎の国学者、室井恭蘭。架空の人物ですが、この名前は他の諸星作品にも出て来ます。