妖怪ハンターを極める(諸星大二郎中級編)

以前、「諸星大二郎入門」と銘うって妖怪ハンターについて紹介いたしました。

↓ 

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今回は皆さんにさらに極めて頂きたく、全ての妖怪ハンター作品を読むための情報を紹介させて頂きます。

 

妖怪ハンターの全話を発表順に列挙し、それぞれの収録されている単行本と、主要な登場人物について整理してみました。

 https://github.com/bunji2/moro/raw/master/list_yokai_hunter.pdf

 

1974年の発表から最新作の2015年まで、途中あいていたとは言え、41年。

なんと!41年ですよ!奥さん!

いやはや、もう、驚くべき年月です。

 

あの時生まれた子供が、今じゃしがない中年サラリーマンに!

 

 そして!今なお諸星先生は現役で画業を営んでいらっしゃいます!

 

さて。2016年10月現在で、書店で購入可能な妖怪ハンター本を並べてみました。


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上段は、以前「諸星大二郎入門」で紹介した三部作「地の巻」「天の巻」「水の巻」です。

 

下段は左から以下の通りです。

・「稗田のモノ語り 魔障ヶ岳」(講談社

・「闇の鶯」(講談社

・「妖怪ハンター 稗田の生徒たち(1)夢見村にて」(集英社

・「妖怪ハンター 異界への旅」(平凡社

 

最後の本は平凡社妖怪ハンターを特集したムック本なので、諸星先生の単行本というわけではありません。ただ、書き下ろしの『雪の祭』が収録されています。


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これらを読破すれば、妖怪ハンター作品のほとんどを網羅したことになります。

 

 残念ながら書店で入手できないのが、これです。

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『美加と境界の神』

 

もうこれだけはどうしようもありません。

古書店やオークションでウルトラジャンプのバックナンバー(2009年8月号)を探しましょう。

また最低でも国会図書館でコピーしてもらうという手があります。

 

You!妖怪ハンター、極めちまいなYo!(^_-)-☆

 

 

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Python の xml.dom.minidom で GetElementById をするメモ

Pythonxml.dom.minidom モジュールを使って XML ファイルを操作する時に、getElementById がうまくいかなかったのでその対処方法についてメモっておく。

●お題編

次のような XML でサイトのリストを作ってみる。Google サイトのタグに id属性をつけている。

data.xml:

<?xml version="1.0"?>
<sites>
<site>
<name>Yahoo!</name>
<url>http://www.yahoo.co.jp/</url>
</site>
<site id="my_favorite_site">
<name>Google</name>
<url>http://www.google.co.jp/</url>
</site>
<site>
...以下省略...
</sites>

これをこんな python スクリプトで id属性="my_favorite_site" の要素配下を表示してみる。

pick_up_node.py:

# -*- encoding: utf-8 -*-

"""
特定のid属性をもつ要素配下を表示するサンプル
(Python2)
"""

import xml.dom.minidom, sys
from textwrap  import dedent

# 特定のXMLファイルを読み込み、特定のid属性をもつ要素配下を表示する関数
# 引数:id:id属性の値
# 引数:xml_file:対象となるXMLファイル
def pick_up_node(id, xml_file):
  # XMLファイルをパースして DOM を取得
  dom = xml.dom.minidom.parse(xml_file)

  # 特定のid属性のノードを検索
  node = dom.getElementById(id)

  # 該当するノードがないとき
  if not node:
    print "Not found!"
    return

  # 該当するノードがあるときはXMLの形式で表示
  print node.toxml()

def usage():
  print >> sys.stderr, dedent("""\
    Usage:
    python %s id xml_file
  """ % sys.argv[0])

def main(argv):
  if len(argv) < 3:
    usage()
    quit()
  id, xml_file = argv[1:]
  pick_up_node(id, xml_file)

if __name__ == '__main__':
  main(sys.argv)

ところが、実行するとうまくいかない。。。

C:\work>python pick_up_node.py my_favorite_site data.xml
Not found!

HTML+JavaScript で DOM の処理をする時のように、ちょろっとスクリプトを書いただけではだめみたいだ。

●解答編(その1)

ソースファイル (minidom.py) を眺めてみたところ、適切に ID属性型であることが DTD で宣言されていないとうまく検索してくれないようだ。

冷静に考えれば、HTML+JavaScript で getElementById できるのは、HTML(XHTML?)のスキーマ定義ですべてのタグに ID属性型を持つよう前もって定義されているからなのだと予想される。

従って、上のスクリプトを生かしつつ、XML の流儀にしたがって記述を適切に修正し、DTD を追加してやればよい。

data2.xml:

<?xml version="1.0" ?>

<!DOCTYPE sites [
<!ELEMENT sites (site+)>
<!ELEMENT site (name,url)>
<!ATTLIST site id ID #IMPLIED>
<!ELEMENT name (#PCDATA)>
<!ELEMENT url (#PCDATA)>
]>

<sites>
<site>
<name>Yahoo!</name>
<url>http://www.yahoo.co.jp/</url>
</site>
<site id="my_favorite_site">
<name>Google</name>
<url>http://www.google.co.jp/</url>
</site>
...以下省略...
</sites>

上の、

<!ATTLIST site id ID #IMPLIED>

の行で ID属性型を宣言している。これで期待通りの結果となる。

C:\work>python pick_up_node.py my_favorite_site data2.xml
<site id="my_favorite_site">
<name>Google</name>
<url>http://www.google.co.jp/</url>
</site>

しかし。

XML の厳密な世界ではこれでいいのでしょうが、DTD を意識しなければならないのはうっとうしすぎる。。。

もっと簡単に済ましたいですよね。。。

●解答編2

もう、自前で getElementById を実装してしまいましょう。

自分で責任を持つから、自由にさせて下さい!!!

以下、修正版 pick_up_node2.py の差分です:

from xml.dom.minidom import (Node, Document)

def _my_getElementById(self, id):
  # 子ノードを再帰的にたどっていくサブ関数
  def _get_element_by_id_helper(parent, id):
    for node in parent.childNodes:
      if node.nodeType == Node.ELEMENT_NODE and \
        node.getAttribute("id") == id:
        return node
      r = _get_element_by_id_helper(node, id)
      if r:
        return r
    return None
  return _get_element_by_id_helper(self.documentElement, id)

# Document クラスにインスタンスメソッド getElementById2 を追加
Document.getElementById2 = _my_getElementById

def pick_up_node(id, xml_file):
  # XMLファイルをパースして DOM を取得
  dom = xml.dom.minidom.parse(xml_file)

  # 特定のid属性のノードを検索
  #node = dom.getElementById(id)
  node = dom.getElementById2(id) # ← 追加したメソッドを実行

  # 該当するノードがないとき
  if not node:
    print "Not found!"
    return

  # 該当するノードがあるときはXMLの形式で表示
  print node.toxml()

これだと DTD を追加する前の XML でも期待通りの動作をします。

C:\work>python pick_up_node2.py my_favorite_site data.xml
<site id="my_favorite_site">
<name>Google</name>
<url>http://www.google.co.jp/</url>
</site>

最近 JSON ばかり使っていたので、いまごろ XML の制約を眼にしました、という次第であります。

諸星大二郎劇場2『(眼鏡なしで)右と左に見えるもの』(ビッグコミック増刊2016.10)

 ビッグコミック増刊号諸星大二郎劇場2『(眼鏡なしで)右と左に見えるもの』が掲載されています。


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 タイトルページ。
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エリック・サティ…ですか!
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前回の『影人』は中国の民話風でしたが、今回は全く異なるジャンルの現代劇(それとも異世界?)でした。なんというか…人知れず敵と戦う男たちの物語です。いや、実は何と戦っているのかすら語られませんが。(^o^;

そのストーリーがサティのピアノ曲にのせて展開します。

 

ファンタジックであり、SF的であり、コミカルでもあり、そこに組曲風味をきかしてくるという…。

なかなかに挑戦的な作品だと感じました。(^_^)

 

ビッグコミック増刊号で連載されていく「諸星大二郎劇場」、単行本化されるとかなりバラエティに富んだ作品集になりそうですね。

 

 

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ところで、手塚治虫文化賞20周年のムック本が出てました。諸星先生の書き下ろし載らないかな〜と期待したんですが。残念ながらなかった(;´∀`)

 

 

CICADA#2(月刊!スピリッツ2016.11)

先月、月スピの定期購読を本屋に申し込んだのですが、早速やらかしてくれました。

手配忘れるなんて。(´Д⊂ヽ

 

で、発売日から2日遅れてゲットしました。

 山田玲司先生のCICADA連載中!


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今月のCICADAのタイトルページ!
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前回の謎の少女と出会ったとこから。

レムの持ってた『うる星やつら』をみて

 

「だっちゃ」

 

と発した少女は…

レムを自宅に連れて行き、

自分の「コレクション」を見せた。

 

それがこれ!


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なんとーーーー

池田理代子先生の『ベルサイユのばら』だーーーー!(≧▽≦)ノシ

 

少女はマンガを評して言う。

 

「ムチャクチャなんだけど、

 すごく深いところもあるし…」

「白黒なのに色を感じるところもすごいし…

 現実よりもずっとキラキラしているし。」

 

いいねぇ。そうなんですよね〜。

特に少女マンガだとね(^o^)b

 

さて、ベルばらを読んだレム…


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もう、おもいきりベルばらにかぶれまくってしまいました♪(^o^)b

 

「BOX〜箱の中に何かいる」第12話

現在発売中の月刊モーニングtwoに諸星大二郎先生の「BOX〜箱の中に何かいる」第12話が掲載されています。

 

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表紙。
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タイトルページ。
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惠くんと神宮さんは谷夫妻を連れて箱の出口を探します。
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(夫妻の体は合体しています)

 

しかし夫妻はもう脱出を断念。箱に取り込まれてしまいました。
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前回、甲田さんからゲームの参加資格を引き継いだ興子(キョーコ)が合流します。
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置き去りにしてきたことが心配になり、甲田さんを探す四人。
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しかし、甲田さんはもう取り返しのつかない状態に

なっていました。

 

そして、今月の諸星先生!
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 へ〜!

"Paint it, Black" を聴かれるのですか!

ペルシャっていうか、オリエンタルな感じをかもしまくるシタールの音色が特徴的な曲ですよね♪

たしかに、ベタ塗りの時はノレそう!(^o^)b

 

さて、本回で連載一年です。

あっという間でしたねー

 

※追記※

単行本が11/22に出るみたいです!\(^o^)/


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CICADA が始まった!(月刊!スピリッツ10月号)

月刊!スピリッツ10月号で山田玲司先生の新作がついに始まる!

各界を揺るがしたこのニュースに(ちと大げさ^_^;)、発売日の8/27から月スピを求めて書店巡りの旅に出た。

 

しかし…。

 

どこの書店にも月スピがないのである!

 

私の愛する書店、吉祥寺のブックス・ルーエにない。ジュンク堂にもロフトにもない。

 

そして、今日やっと置いてる書店を見つけ、手にすることができました。


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(島本作品なら、上の写真には集中線が入るはず。いや、脳内補完を希望!)

 

「重版出来」とか人気作の載ってるコミック誌なのにね。

どこにも置いてないのよ。なぜか。

 

それはともかく、山田先生の新作CICADAである。

 

タイトルページ。


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のっけから、なにやら熱い展開にやられる!

 

設定は今から150年後の未来。

そこは漫画が禁じられた世界!

焚書(ふんしょ)といって、紙の漫画が燃やされてしまうのだ。そして、漫画を所持することは犯罪なのだ。

主人公はその漫画を取り締まっている。

しかし、財力なし腕力なし学歴なし彼女なしの童貞でコンプレックスのかたまり。

 

捜査していた男が所持していたのがこれ!


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ラムちゃん来たーーーー!(≧▽≦)

いきなり、高橋留美子先生とは違うタッチの『うる星やつら』が出てきてのけぞりました!

 
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現代の感覚でいえば、浮世絵とか見てる感じなのかもしれません。(^o^;

 

男はこう言う。
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 「どんなに女にこばまれても…

 絶対に折れないんだぜ…」

 

男の言葉に主人公は道を踏み外してしまいます。

禁じられている漫画を持ち帰ってしまうのです。

 

もう設定がメチャクチャ面白くて、今後の展開が楽しみで楽しみでたまりません。

そして、今回の『うる星やつら』が出てきたことから、今後も別の漫画家の作品が出てくることが予想されます。

漫画好きなら、もう悶絶して歓喜すること必至です!(*´∀`)

 

 

というわけで、今後のCICADAの展開に目が離せないので、最寄りの本屋で月スピの定期購読を申し込みました。(^_^)v

礎(1978/06/27 漫画アクションコミックスSF劇画特集号)

今回は1978年の諸星大二郎先生の作品を紹介します。漫画アクションコミックスSF特集号に掲載された『礎』(いしずえ)です。

表紙。
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タイトルページ。

この絵は、丸の内にあった旧都庁舎の太田道灌銅像ですね。
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地方公務員。「庶務課」から「地震予防課」への異動の辞令を受ける。
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同僚が送別会をひらいてくれ、
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スナックで会ったママと深い仲に。
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なぜか眼が痛む。

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新しい職場の課長には淡々とあしらわれる。

単調な事務仕事の日々に。

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 角膜に傷がついていると目医者にいわれる。

このコマ、つげ義春の『ねじ式』を思い出させる。

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倉庫で「特殊設備」の資料をみつける。

そこには古文書のコピーが綴じられていた。
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…武蔵の国の国ッ神は荒振る神なり

一度怒れば 天地を揺るがし

五穀草木をすべからくうち枯らし 

死する者 数しれず

…何村の何某 慎みて 国のため 人のため

一身を投げうちて 一年神主をば申し受け…

 

見届け人

牟邪志国津神神社宮司何某

寺社奉行何某

室井恭蘭

 

本庁に出張すると、いきなり知事に引き合わされる。
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「ご苦労さまです」… 何かがおかしい
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いったいなにがおこるというのか?

この男の運命や、いかに?!

 

 

本作は「一年神主」の伝承をモチーフにすえたスリラーとなっています。

妖怪ハンターや本作のような作風こそが諸星先生の真骨頂と思います。

また、本作で出てくる江戸時代の謎の国学者、室井恭蘭。架空の人物ですが、この名前は他の諸星作品にも出て来ます。