諸星大二郎先生の新作が現在発売中のビッグコミック増刊号に掲載されました。
表紙。
タイトルページ。
今回のアリスとシェエラザードへの依頼主は、ブランドン画伯。
取り掛かっている絵のモデルの女性を探してきて欲しいという。
それも、画伯の夢の中に出てきた女性だという。
…なんとも珍妙な依頼だが、アリスは霊能力で女性の住む街がイーストエンドだと特定する。
意気込んでイーストエンドに向かい、聴き取り調査にてジュディスという女性の名前にいきつくが。。。
今回はドロドロとした怨念渦巻くお話でした。
依頼者の画家が取り組んでいた絵画のテーマは、旧約聖書外典の一つ『ユディト記』に登場する「ユディト」と呼ばれる女性。
アッシリア軍の将軍ホロフェルネスの首を切り落としたという逸話があります。
「生首」の出てくるショッキングなテーマと言えば、「サロメと聖ヨハネの生首」「ダビデとゴリアテの生首」「ペルセウスとメデューサの生首」と並んで、「ユディトとホロフェルネスの生首」は有名だったようで、ボッティチェッリ、カラヴァッジョ、ゴヤ、クリムトなど様々な画家が「ユディト」の作品を残しています。
作中ではジェンティレスキの作品とカラバッジョの描いたユディトの眉をひそめた顔部分の模写が入ってます。
諸星先生もユディトの逸話からこの物語を発想されたのは言うまでもないでしょう。
それだけ想像力をかきたてる画題ですから。
次のアリスとシェエラザードの活躍を楽しみにしております♪